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U2がボスニア紛争終結直後のサラエボで行った歴史的コンサートをテーマにしたドキュメンタリー映画『キス・ザ・フューチャー』が2025年9月26日から日本で劇場公開されたことを記念し、1997年9月23日のサラエボ公演セットリストを再現したプレイリストが公開された。
マット・デイモンとベン・アフレックがプロデューサーを務めることでも話題の映画『キス・ザ・フューチャー』。本作は、1990年代のボスニア紛争によるサラエボ包囲下で、絶望の中にあった市民たちが、アートや音楽を支えに生き抜いた姿を描くドキュメンタリーだ。
地下のクラブで音楽に熱狂し、ささやかな抵抗を続けた若者たち。彼らの声がU2に届き、バンドは「ZOO TVツアー」の衛星中継を通じてサラエボの惨状を世界に訴え続けた。そして、紛争終結後、U2は約束通りサラエボでコンサートを開催する。この映画は、音楽が人々を繋ぎ、いかにして暗闇に光を灯したのかを力強く描き出すものである。
U2がサラエボのコシェヴォ・スタジアムに立ったその日は、単なるコンサートではなかった。ほんの少し前まで敵同士として引き裂かれていたセルビア人、クロアチア人、ボシュニャク人など、様々な民族的背景を持つ約45,000人もの人々が、音楽の下に一つになったのである。
それは、平和と再生の象徴であり、未来への希望を分かち合うための祝祭であった。ボーカルのボノは、ステージから「過去を忘れて、未来にキスを、サラエボ万歳!」と語りかけ、観客と共に泣き、歌った。この夜のパフォーマンスは、U2のキャリアにおいても最も重要で感動的な瞬間として、今なお語り継がれている。
今回公開されたプレイリストでは、オープニングを飾ったアルバム『Pop』からの攻撃的なナンバー「Mofo」から、アンコールで会場が一体となった「One」まで、コンサートのオープニングからクロージングまでの流れをそのまま体感できるようになっている。さらに「Sunday Bloody Sunday」や「Pride (in the Name of Love)」といった楽曲が、この特別な場所でどのような響きを持ったのか、プレイリストを通して感じ取ることができるだろう。
映画『キス・ザ・フューチャー』で、サラエボの人々が歩んだ苦難と希望の物語を知り、そしてこのプレイリストで、彼らが分かち合った感動と興奮を追体験する。この二つを合わせることで、U2が鳴らした音楽の本当の意味と、その計り知れない力をより深く理解することが可能となる。
■プレイリスト
・THE SETLIST:U2 Sarajevo, 1997
■映画情報
マット・デイモン、ベン・アフレック プロデュース
映画『キス・ザ・フューチャー』(ネナド・チチン=サイン監督作品)
2025年9月26日(金)キノシネマ新宿 ほか全国順次ロードショー
・公式サイト